2015 年間ベストアルバム 30
2015年に手にした音楽の中からよく聞いた物、お気に入りをミックス/コンピレーション込みで30枚。30位の時点で結構好きです。
30. Uffe - Radio Days
アートワークの印象からは程遠い甘くメロウなビートダウンハウスや、James Blake を思わせる消え入りそうなボーカルトラックなど。
→「I Can Show You High」
29. Rupert Clervaux & Beatrice Dillon - Studies I-XVII For Samplers And Percussion
これほど思ってたのと違うアルバムもなかなかないけれど、これはこれで好き。パーカッションは正義。
→「VII」
28. ISKELETOR - ISKELETOR
上半期と似たようなポジションになってしまったけど、異国情緒漂うノイジーなグライムは気持ちを昂らせてくれる。
→「Gallows」
27. BE - H I P N O T O N Y
リラックス。肩肘張ってない感じがとても沁みるディープハウス。
→「Sweetunder」
26. 水曜日のカンパネラ - ジパング
遊び心そのままに前作から全てにおいてアップデート。ベースミュージックの見本市のよう。
→「ラー」
25. Cornered Yet Climbing Featuring Kelly Jayne Jones - Fevered Realities
フリージャズ、フィールドレコーディング、ノイズ。印象的なサックスは Gnod の人でした。
→bandcamp
24. Carter Tutti Void - f(x)
壁のように押し寄せるギターと、とどまることを知らないベースライン。安定感抜群の彼らのアルバムはインダストリアルど真ん中を突き進む。
→「f=(2.6.2) (edit)」
23. Broken English Club - Suburban Hunting
頭が重たくなるようなダウナーな空気感、前時代的なポストパンクやEBMのダーティさとモノトーンの様式美が否応なく溢れ出ている。
→soundcloud
22. John Wiese - Deviate From Balance
いやー。
→bandcamp
21. Jesse Osborne-Lanthier & Robert Lippok - Timeline
まるで水玉のような電子音。ソロだと荒れ狂う Jesse が、いつエネルギーを爆発させようかと機をうかがっているけど結局爆発しないのがポイント。
→bandcamp
20. Killawatt - émigré
テクノやインダストリアルを通過というか飲み込んだベースミュージック。強い個性を撒き散らしながら実験を続け、自分の世界を拡張し続けているように思えた。
→「Pressgang」
19. The Mystic Jungle Tribe - Solaria
電子機器の無い世界で生まれたかの様なプリミティブなハウスミュージック。原始世界は今よりずっと宇宙に近かったのかも。
→「Landing To Solaria」
18. Cio D'Or - all in all
繊細で美しく、端正なディープミニマルテクノ。2LP+EPの三部構成となっていて、最初から3LPにしてくれよとか思ったようなそうでもないような。
→bandcamp
17. Mumdance - Fabriclive 80
最初はとっ散らかったように思えたミックスも、コロコロと表情を変える様子が逆に癖に。インダストリアル、ダブステップ、グライム、ジャングルにレイブまで!
→「1 Sec」
16. Perfume Advert - +200 Gamma
ノスタルジーを感じさせるダビーなディープハウス。
→bandcamp
15. De Leon - /\\08
シンプルに導かれる酩酊感。やはりパーカッションは正義。あとガムランも。
→bandcamp
14. Sa Pa - 風物詩
フィールドレコーディングとディープなダブテクノ。徐々にビートの輪郭が露わになる様子や、逆におぼろげになる様子が幻想的。
→「Russolo」
13. Hieroglyphic Being & J.I.T.U. Ahn-Sahm-Buhl - We Are Not The First
フリージャズというだけでも迷路に迷い込んだ様な感覚に陥るのに、シカゴの怪人 Jamal Moss が絡むことで抜け出すことがより困難な音の沼へ。
→「Fuck The Ghetto / Think About Outer Space」
12. Life's Track - Venere
ディスコやハウスナンバーを分解したりスクリューさせたりと面白い。ユニットの片割れの Herva も、2年続けてアルバムをリリースするなど精力的。
→「Venere」
11. Inner8 - Inner8
ノイズに塗れたアンビエントと凶暴なテクノの共存。Dadub らしさのある力強いビートと中東を思わせるサンプリングが秀逸。
→soundcloud
10. Yair Elazar Glotman - Études
極めてシンプルな楽器構成から発せられるとてつもない重厚感に圧倒されると同時に、酷い孤独感にもまた苛まれてしまう。今年聴いた中で最もヘビーなドローンの一つ。
→「Drifts」
9. El Mahdy Jr. - Ghost Tapes
無数のチャンネルをザッピングするかのようにサンプリングしまくりの、まさしく実体を持たない亡霊のような作品。ドープ。
→「Ghost Tapes」
8. Alabama Shakes - Sound & Color
クラシックなロック、ファンクで楽しませてくれる。女性ボーカルの曲ってあまり聞かないんだけど、そういうの超越した格好良さ。あとこれアートワークも素晴らしい。シンプルって難しい。
→「Don't Wanna Fight」
7. Vakula - A Voyage To Arcturus
SF小説『アルクトゥールスへの旅』をモチーフに作られた本作は、いつものディープハウスではなくクラウトロックやフュージョン、ジャズ等といったおよそダンスミュージックから離れたアルバムとなった。
→「Joywind」
6. Floating Points - Elaenia
丁寧に緻密に作り上げられたであろう本作は、こちらの感動まで全てが計算されているようにも思えた。生楽器とエレクトロニクスの融合もとても自然で息を呑むような美しさ。
→「Silhouettes」
5. Patricia - Bem Inventory
一見すると冴えないおっさんだけど、アナログ感溢れるモコモコとくぐもったようなシンセの音色と、テクノともハウスとも言えるようなトラックを生み出す絶妙のさじ加減が最高。
→bandcamp
4. Beautiful Swimmers - Untitled
90年代のテクノやハウス、ディスコ、ソウル、ファンクを素材に、ひとたび耳にすれば笑顔で踊りだしたくなるオールタイムベストなミックス。
→「Untitled B」
3. Eugene Ward - Paint En Pointe
そもそもがコンテンポラリーダンスの為という事もあるのか、曲もバラエティに富んでいてアルバム全体を通して飽きずに楽しめた。
→「Somnium (Group)」
2. DJ Richard - Grind
最初はとても真っ当なテクノに聴こえた(から退屈に感じた)のだけど、ふとこのアルバムが纏っている不穏な空気に気付いてからはどうしても胸がざわついてしまう。死をイメージさせるテクノ。
→「Nighthawk」
1. Jamal Moss - Medusa's Tribute Selection
今年発売された新譜ではあるものの、収録されているのは80年代のインダストリアル、EBM、ニューウェーブ、イタロハウス、ディスコ。トラック的に新しい物はないんだけど Jamal Moss に撃ち抜かれてしまいました。デジタルもなければYou Tubeにも上がってないから聞くにはカセットを買うしかないのが難点。
◆おわりに
1位がこんな訳の分からない上に手に入りにくいもので申し訳ない感じが。13位以上はどれも甲乙つけ難く、今年は順位付けに相当悩みました。一応年間ベスト"アルバム"という意味では、2位の DJ Richard になりますかね。ともあれ読んでいただき、ありがとうございました。
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