2017 年間ベストアルバム 30


毎年恒例の自己満足の塊。歳を重ねれば悩みも増え、今年は暗澹とした日々が多かった。音楽には驚きや新鮮味、興奮を求めているのだけど、何を思ったか一枚一枚吟味して、買う枚数を意図的にセーブしてみようと思い数ヶ月実行した。これがかなり物足りないしつまらない。趣味を我慢しても碌なことないわ。そんな一年を共に過ごした、2017年の年間ベスト30です。



30. GRAPEVINE - ROADSIDE PROPHET

妻へのプレゼントで買ったはずがうっかり自分が聴いている。初めてバインを聴いてから二十年近く経っていても、未だに聴き続けているとは思いもよらなかった。漂う哀愁と共にみずみずしさも健在だ。
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29. Mekine U Teksi - Postanatolische Hybride - Die Steppenroboter

中東のメロディが飛び交うディスコミュージック。ただしそれは煌びやかというより、アートワークのごとく、夜の砂漠を彷徨うスローでダークな一人旅。
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28. Giuseppe Ielasi - 3 Pauses

持続する物音、環境音。心のざわつきを強制リセット。
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27. Actress - AZD

無機質でブラックなエレクトロニックミュージック。曲単体は面白いが、アルバムとして聴くとぎこちなく、異物感があり上手く飲み込めない。そしてそれが彼の持ち味であることを知っているので、またいつの間にか聴いてしまう。
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26. B-Ball Joints - Blue Boy Joints

悪ふざけ、悪ノリが過ぎるけど、たまにこういうのを聞きたくなる日もあるでしょう。ぐしゃぐしゃにされたボディミュージックに割り込むダブのフレーズに、これが Low Jack の別名義だと知る。
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25. Perc - Bitter Music

それはまるで産業革命のように、威圧感たっぷりに立ち並ぶ機械と、新しい時代の到来を前に不安に苛まれているかのようなピアノの旋律。しかし動き出した機械は止まることはない。
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24. Amorf - Blending Light

リッチで小気味よく音が跳ねる様子は、ハウス寄りなイメージのあるルーマニアンミニマルにしてはテクノ的で、全編にわたってピアノがフィーチャーされているのはルーマニアンミニマル的だ。
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23. Masaya Ozaki & Kaito Nakahori - Mythologies

緊張感や孤独。社会の雑音からの隔離。アートブックと音楽を同時リリースしている IIKKI の四作目にして遂にアートブックを購入。音に対する没入感とモノとしての満足感が高く素晴らしい。
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22. Call Super - fabric 92

やっぱり終盤の Convextion 以降がフリーダムで面白い。ドローンをバックにブルースを歌い、アンビエントからレゲエに繋いでいる。先日リリースされたアルバムも評判良さそうなので是非聴いてみたい。
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21. Benjamin Clementine - I Tell A Fly

ミュージカルのような芝居がかった歌い方と声が好き。ジャケ買いしたアルバムなので当然アートワークが好き。というか山吹色が好き。
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20. Equiknoxx - Colón Man

雑多で賑やかなイメージを覆す、ダンスホールの骨格だけで殴りにきてるような武骨さ。ダンスホールはあまり聴かないんだけど、なんてこった、これは聴けば聴くほどに格好いい。
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19. Various - Pop Makossa: The Invasive Dance Beat of Cameroon 1976​-​1984

マコッサというカメルーンの音楽とファンクやディスコの融合。ちょうどこの時代のカメルーンはアフリカで最も豊かだったらしく、音楽も軽さと明るさに満ち溢れている。bandcampで買うと上のGIFアニメが付いてくる。
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18. Brett Naucke - ESP Mirror

醒めない悪夢のような気分にぴったりフィット。
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17. Japan Blues - Sells His Record Collection

日本愛が凄すぎる。
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16. Steven B.C. - House Crime Vol.5

洒落たアーバンな香りのするハウスを聴きたい夜もあれば、荒んだ心に寄り添ってくれるローファイなゲットーハウスを聴きたい夜もある。
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15. Dj Stingray - Kern Vol.4

次々と繰り出すデトロイト・エレクトロの勢いで、テクノもハウスも飲み込んで突き進むのが単純に格好いい。車の運転中によく聞いた。
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14. Arca - Arca

荘厳さを背に精神を蝕んでくるサウンドはさすがとしか言いようがない。本作では自身から溢れ出た歌によって獲得した肉体性を武器に、さらに破壊力を増加させている。
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13. Demdike Stare - Circulation

ドローンやアンビエントをベースにしながらも、シネマチックというかサントラっぽいというか、目の前の景色が変わる様子が感じ取れる。
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12. Cru Servers - Blubber Tottum

ドロドロのハウスやらヒップホップやら。
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11. Folamour - Umami

ジャズやディスコ、ヒップホップ、ソウルの影響を受けたハウスミュージック。すなわちそれは大好物。タイトルもアートワークもがっつり日本だが、一部の曲を除いてそこまで日本推しでもなくいい塩梅。
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10. Andrea Belfi - alveare

静的で内省的。端正に響きわたるパーカッションの音のひとつひとつは、本作のテーマでもある個性よりも機能を重視した集合住宅のよう。
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9. Claro Intelecto - Exhilarator

アルバムにはEBMが顔をのぞかせるテクノ、ダークで重厚なアンビエント、グリッジなIDMなどが溢れている。どの曲も暗闇の中で鳴り響いているようなトラックだが、感傷的で胸を打つような美しさもある。自身の名を付けた曲や、恐らく彼の子供の声もサンプリングされていたりと家族愛も垣間見える。
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8. SEC_ - W.h.e.a.d.

ノイズ、フィールドレコーディング、教会のオルガン、ひしゃげた電子音、インダストリアル。それらが渦巻く嵐にただひたすら身を委ねるのみ。
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7. Norm Talley - Norm-A-Lize

去年ベストに選んだ Omar S のアルバム制作にも関わっていた彼が、その Omar S のレーベルから活動25年にして初のアルバムリリース。ディスコやソウルのサンプルをひたすらループさせ、デトロイトらしいロウな質感のビートダウンや、それこそ艶やかさのあるディスコトラックに仕上げている。
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6. Turinn - 18 1/2 Minute Gaps

Modern Love っぽいことを一人で全部やっているかのような、幅広いスタイルを横断しつつも絶妙なバランス感覚で統一感を損なっていない。こういうのはなかなか飽きない。
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5. Marcel Dettmann - Selectors 003

ここ数年ふつふつとしているボディミュージック熱に答えてくれたコンピレーション。Dettmann といえば昨年リリースの『DJ-Kicks』も最高だったが、年間ベスト発表後にどハマりしてたのでここで面目躍如。
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4. Sterling Toles - Resurget Cineribus

デトロイト市のモットー『灰燼からの復興』を冠された本作は、2005年にごく一部でのみリリースされたものだそう。細切れにコラージュされたテレビの音声にジャズやヒップホップ。中年男性の語り。50年前に起きたというデトロイト暴動を経験した Sterling Toles の父親とデトロイト市の物語。
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3. Ariwo - Ariwo

今年もっとも新鮮さと興奮をもたらしてくれた。ミニマルでディープなエレクトロニクスに揺られていると、頭上をトランペットが駆け抜けていく。
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2. Donato Epiro - Rubisco

思い浮かぶのは雑踏と廃墟、構築と破壊、有機物と無機物。本来ならば両立しないものが、このアルバムでは成り立っている。
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1. JASSS - Weightless

インダストリアルを聞いていたと思ったらいつの間にかアラビアンな民族音楽で、ボディミュージックを聞いていたと思ったらジャズが流れるという無軌道さ。『無重力』というタイトルが意味するように、何にも縛られていない自由さや実験精神と、アルバム全体に漂う暗さがとても魅力的で強烈に惹きつけられる。
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◆おわりに
年間ベストをまとめるまで色々なことがいまいちな一年だったと思っていたけれど、こうやって整理するとみんな良いものばかりじゃないか、と。やっぱり音楽って良いよね、楽しいよ。ということで今年の年間ベストでした。ありがとうございました。

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